どれほど前だろうか、いや「どれほど」を使うほど前ではないのかもしれない。
7年くらい前の話。
高校3年生の頃から僕は、キリンがメインキャラクターで子供に大人気なお店でアルバイトをしていたーーきっと皆さんも行ったことが絶対にあるだろう。
大学1年になった頃、アルバイトで新人の高校生が何人か入ってきた。その中で、僕の母校に通っている女の子が1人いた。(ここではAさんと呼びます)
数年後、本人に言ったことがあるのだけれど、第一印象は最悪だったーー向こうからしたら僕の方も最悪だったらしい(笑)
理由は見た目とかそういうのじゃなくて、態度とか雰囲気があまり良さそうじゃなかったからお互いに印象が悪かったっていう話。
仕事を教えることになった
苦手なAさんに仕事を教えることになった。5分くらい教えたり、一緒に仕事していて僕は思ったーーあ、やっぱりAさんのこと苦手だわ。
そう思いながら、ハシゴを使って高い物を取るときの作業でAさんがハシゴの上にいて、僕はーーAさんが新人だったのでーー下でハシゴを支えていた。
「あーお腹空いたな〜」
あっ、Aさん降りてくるみたいだ。
「Aさん大丈夫かな?」
って僕は上を見て思った。
あ、ピカチュウだ。
って違う!!
チノパンとシャツの間からピカチュウパンツが思いっきり見えてんぞ!!
それから少しの間、僕の中でAさんはピカチュウパンツという名前になった。
ピカチュウパンツと仲良くなった
人間というものは不思議だ。いつの間にか仲良くなっているパターンが多い。今回の事もそうだ。
ピカチュウパンツのことがあれほど苦手だったのにも関わらず、話したり、よく遊ぶメンバーになった。こうなった経緯が正直、よくわからない。
Aさんの事が気になるようになった
好きなのか?友達として好きなのか?後輩として好きなのか、どんな感情をAさんに持っていたのかはその時の自分は分からなかった。
ただ、一緒にいたい存在だったという事には変わりない。
しかし、そのとき彼女がいた僕はそれが「好き」という感情だったとしてもそれを「好き」だという感情にしたくなかったのかもしれない。
彼女を裏切る事はできない。
しかし、その気持ちも時間が経てば気にする事がなくなった。
後輩として、妹として、仲間として、友達としてAさんの事が好きだった。
彼女と別れて気付いた
大学を卒業する時、大学の後輩達から貰った色紙の中にこんな事が書いてあった。
「彼女に振られてなっつさん死んじゃうんじゃないかと思った。」
(笑)
そのくらいメンタルやばかったらしい。
その時に思いっきり気を遣ってくれたのがAさんだった。
メンタルがボロボロだったのもあるのかもしれない、だけど、今までAさんの事が女として好きだったんだと僕は気付いた。
しかし、Aさんはすでに彼氏が出来ていた。
結局、そのまま僕はAさんの事が好きなまま時間が経ち、僕にも彼女がまた出来た。
それ以降、いや、それ以降も普段通りの関係が続いた。
お互いに思っていた事を知る
大学を卒業してからだったかな?
アルバイトのメンバーで飲み会をした。
これからお互いに会う機会がどうしても減ってきてしまう人達ばかりなので、みんなといろいろな事をたくさん話した。
その中で、僕がAさんに事が好きだったという話もした。
「あの時こうだったんだよね〜」
みたいな話をするのは、時間が経った時の楽しみでもある。
Aさんからはこう言われた。
私も好きだった時あるよ
笑った(笑)
互いに好きだった時期を話してみた。
見事にズレていた。
向こうが好きだった頃には、僕には彼女がいて、僕が好きだった頃には向こうに彼氏がいた。
タイミングというものは本当に意地悪だ。
好きだった事を告白したついでに、僕は4年間ずっと隠していたあの事を言ってみた。
あの時、ピカチュウのパンツ見えてたよ。